【現行マル機】特殊警備用防護ヘルメットその1
現行マル機装備なんて夢のまた夢だなぁ、なんて考えてまして、これに関してはもう少し温めておく予定でした。
その予定だったんです。
その予定だったんですが、ちょっとした一件があったのと現行マル機ヘルメットらしき物が次々と出品されてるのを見かけまして、レプリカ品の実態や各写真によって実物の調査もある程度進んだので中間報告的な物を行おうかな、と思った次第です。
言わずもがなですが現行防護ヘルメットは旧式のSB-8型の後釜で、マル機以外にも法務省刑務官や特別機動警備隊・海保の各部隊・東京入国管理局・確か水産庁の取締船でも使ってた気がします。SB-8型同様使う幅のある装備です。各機関で若干形状が異なりますが、製造元は同じなんでしょうか
さて、この現行防護ヘルメット、CROMWELL社の「F900ヘルメット」にそっくりなんですね。細かな違いは有るものの「帽体に防護面を取付け更にそれを覆う"フェイスシールドカバー"が取付けられている。」と言う機構自体は全く同じ。
F600の後継機種としてCROMWELL社が開発したF900。フェイスシールドカバーを取り外して防護面を露出させて使えたり、階級表示テープの貼り付け、そしてネックカーテン(シコロの様なもの?)や懐中電灯が取付け可能と中々の拡張性。火炎や飛散物が直接向かってくる防護面とフェイスシールドカバーは着脱が容易で、損傷を受けても直ぐに交換出来ると言う保守性に優れた代物。
消防ヘルメットを専門に扱っているマニアのサイトによれば、どうやらイギリス・西ヨークシャーの消防で2008~2012年の4年間のみ使われていたらしい。「West Yorkshire Fire and Rescue Service」の公式Twitterがあったので見てみると、確かに現在は違うヘルメットを使用している。
※消防ヘルメットマニアのサイト↓
http://www.spanglefish.com/hot-lids/index.asp?pageid=475486
※West Yorkshire Fire and Rescue Service↓
https://twitter.com/wyfrs/status/1255831524353675264?s=21
どの世界にもその手の人はいらっしゃるんだなぁと実感。
話が逸れましたが、まぁ早い話どちらかが技術を取り入れたんでしょう。
で、ソースは一切分からずじまいなのですがコレが恐らく最初に出品された現行マル機ヘルメットのレプリカ。
フェイスシールドカバーの留め具(赤丸部分)にロゴがうっすら見えるのと、ネジが1つ(日警は2つ)という点から元はF900だったモノでしょう
〇カタログによれば、F900のフェイスシールドカバーと防護面は容易に付け替えが出来るはず…なんですが、どうもそう簡単には行かなそう。ネジ山みたいのは有るのにネジ穴が無いので普通のドライバーで回せない。加えて材質がプラスチックっぽいのでペンチとかで抑えて無理やり回したら割れる懸念が。日警のはちゃんとネジ穴が見えますので、恐らくドライバーか何かが有れば取り外しは出来そう。
元はF900だと思われますが、帽章部分に若干の差異が有ります。F900のフェイスシールドカバーは海外式の直径5cm程度の円形帽章が貼れる様な寸法で作られているのですが、コチラのレプリカは日警に寄せてキチンとワイドになってます。
・フェイスシールドカバーになんらかの改造を施したのだと思われますが詳細は分からず。
防護面右端にはCEマーク(EU加盟国にその製品が輸出される際に安全基準を満たしていることを証明するもの)が付いている事からも元のヘルメットが日本の物ではないと証明してくれます。
F900の防護面そのものにはもちろん通気口は有りません。しかしこちらのレプリカ、日警に寄せて防護面はキチンと通気口が設けられています。(SB-8もそうですが、通気口にはそれなりのリスクは有れど、遊撃の際にこれが無いと吐息で曇ったり、特に新型ヘルメットは防護面と帽体の隙間が無いので呼吸困難に陥る可能性もあるそう)
帽体上面から後頭部、そして内装。どれも日警モノとは異なります。ダイヤル式?のヘッドバンドはF900の特徴ですかね。
まぁ似てると言われれば似ているF900ヘルメットなんですが、細かく見ると諸々違いがある訳です
特に防護面の開閉機構に関して、日警のモノは上下させる時の音がカシャって感じで、一方のF900は鈍い音がします。
・日警の物はラチェット機構(歯車様の保持装置)で、F900はL字型の金具が組み合わさる保持機構なんだろうな、とか思ったり
・単純に引き出したり閉まったりする動作のしやすさで言えば日警の方が勝るのかなと思います。F900は面の上下で帽体がズレる(略帽被っててもそうなる)ので押さえてないといけません
ひとまず以上で。
「その1」と銘打ってはいますが今回分だけで十分語り尽くした感が。気付いた事が有ればその都度新しく記事にしていく感じで行きますかね