白目研究室

日警マニアを自称するニワカな何かが色々と書き連ねて行きます。マル機と現行日警装備中心に語りますが知識は中途半端で偏り有り。

総理官邸警備隊における耐刃防護衣着用方法について

さて、前回の記事https://shiromedivision.hatenablog.com/entry/2021/01/06/032926で、「警視庁の場合耐刃防護衣は上衣の下」と一様に言い切りました。

 

ですが自身の情報収集能力のひくさを改めて突きつけられる様な事実が発覚しましたのでまずはお詫びした上で訂正させて頂きます。

 

「警視庁の前脇分離型耐刃防護衣は所属によって柔軟な着用方法が見られる。(地域警察は耐刃防護衣を上衣の下に着用、警備警察は地域と着用方法を明らかに異にする隊員が居る。)」に改めさせて頂きたいと思います。

 

と言うのもですね、今しがた令和3年度版の警視庁採用サイトを閲覧していたところ明らかに他の制服警察官とは雰囲気の違う制服警察官を発見。

違和感の元を辿ると、総理官邸警備隊所属の制服警察官がなんと前脇分離型耐刃防護衣(警視庁型耐刃防護衣では1番オーソドックスなタイプ)を上衣の上に着てたんですよ。

 

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出典:警備警察 | 先輩の声 | 令和3年度警視庁採用サイトhttps://www.keishicho.metro.tokyo.jp/saiyo/2021/person/security02.html

 

以上3枚の写真全てで耐刃防護衣を上衣の上から着用しているのが見て取れます。

 

警視庁の制服警察官は例外なく上衣の下に着用だとばかり思っていましたので、これを見た時は衝撃的でした。少なくとも腰回りを除く上半身部分の装備は画像を見る限り耐刃防護衣の着用方法以外に地域警察のそれとさほど変わりは無く、なんの為に着用方法を変えているのかますます分からない状態です。(無線機本体を耐刃防護衣の左ポケットに突っ込んでますので、所轄署員の様にカバー付きの無線機ケースが有る訳では無さそうです)

 

画像の警察官は恐らく制服(活動服ではなく背広型の上衣)を着ていると思われるので、もしかしたら制服着用の際は耐刃防護衣を上から着用すると言った方針があるのかもしれません。

ですが、一昨年(2019年)の祝賀御列の儀で最前列の警備を担当していた警察官は制服着用でしたがその上から耐刃防護衣を着ていた訳では無かったんですよねぇ。あるいはそもそも耐刃防護衣を着けていかなかったのか、少なくともパッと見では耐刃防護衣の有無は分からなかったと記憶しています。

 

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※2021年5月16日追記

総理官邸警備隊について調べを進めていると、どうやらこの警察官以外にも男性警察官で制服上衣の上から耐刃防護衣を着用しているらしい方が居るのを発見。

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※総理官邸の検問所。2016年2月26日筆者撮影

 

いずれも撮影場所は首相官邸の出入口や門である為、ここから導き出される推論は「総理官邸警備隊は官邸出入口などの来客の目に直接触れる箇所の警備の際は制服を着用し、その上から耐刃防護衣を着用する」ということになりましょうか。完全に盲点でしたが、総理官邸警備は来客と接する可能性があり、常に公式な装いが求められる現場のため制服が着用されていて、一方で任務の危険性あるいは実用性から耐刃防護衣も併せて着用しているのでしょう。

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ただ、制服を着用する理由はともかく、その上から耐刃防護衣を着てしまってはむしろ見栄えが良くないのではないかと思ったり。着用目的が単に受傷防止だけなら尚更他の警察官同様耐刃防護衣が隠れる上衣の下に着れば良いはずです。

・そこを基軸に考えてみると、外見上耐刃防護衣のポケット(大)に無線機以外の物が入ってなさそうな点が気になるわけです。

画像1枚目とか分かりやすいかと思うんですが、地域警察と違って無線機本体を防護衣の左ポケットに突っ込んでいて、右のポケットはぺちゃんこなんですよね。なんで、地域警察官と違って無線機のケースがないから上から着用した防護衣のポケットを入れ物にしていると言うのが最大の理由な気がします。

 

そこまで考えると何故地域警察官と同様のフルカバータイプのケースが用意されてないんだろうとか思ったり。

やっぱり制服を着るからなんでしょうか。あの制服の構造だと動きづらそうではありますが、警棒と一緒にダミーポケットから外に出すしかないからケースあっても無くても変わらないか。

 

耐刃防護衣もそうですけど装具の携行方法なんかも活動服と制服でかなり違いがありそうで、これだけでもう1本記事書けそうですよね。

 

あと1点、総理官邸警備隊は本庁所管の警備部所属のはずですが、この画像の警察官はPSWと思われる無線機を携行しています。

勿論これに関して、私は無線機の種類やその使い分け等にあまり明るくないですので、その無知な点において疑問に思った訳でありますが。

官邸外周を警備するマル機はもれなく部隊活動系を使ってますよね?という事は総理官邸警備隊はどこかに署外系の基地局があるんですかね。緊急発報ボタンも付いてますし、近隣のPSに専用の司令を併置してるんでしょうか。

 

そういや総理官邸警備隊の前身と言うか警備部に移管される前は麹町警察署が警備を担当してたんでしたっけ。よもや無線系統をそのまま引き継いでたりするんですかね。

 

まぁ、保安上の懸念も有りますし、ここら辺は考え出すとキリがないと言いますか寧ろ無知を晒すだけなので、これ以上踏み込まないでおきます。

 

あと制服警察官とSPの兼務と言うのも驚いた点ではあるのですが、どうやら2019年くらいから官邸に来訪する要人の増加を鑑みてSPの人員増強に舵を切って、選抜のSPだけでなく総理官邸警備隊の中から数十人単位で(SPと制服警察官の)兼務が可能となった様ですね。

 

取り急ぎ以上です。それでは。